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相続・遺言の手続き:はじめに整理すること

相続が始まった後の戸籍、財産、相続登記、相続税の手続きと、遺言書を準備するときの確認事項を整理します。期限のある手続きと、行政書士、司法書士、税理士、弁護士などの相談先も分かります。

相続では、亡くなった方の戸籍をたどり、相続人と財産を確認し、必要に応じて預貯金、不動産、税金の手続きを進めます。手続きの順序や必要書類は、財産の種類、遺言書の有無、相続人の状況で変わります。期限がある手続きもあります。この記事では、相続が始まった後の大まかな流れと、遺言書を準備するときの確認事項、相談先の役割を紹介します。

どんな場面で手続きが関係するか

場面最初に整理すること主な窓口
亡くなった後遺言書、親族関係、財産と債務、期限市区町村、法務局、家庭裁判所など
不動産がある土地・建物の所在と名義、相続登記の期限法務局、司法書士
財産が多い財産の評価、相続税の申告の要否税務署、税理士
遺言を準備する財産、相続人等、遺言の方式と保管方法法務局、公証役場など
意見が分かれる話合いの状況と求める整理弁護士

相続が始まった後の主な手続き

戸籍を集め、相続人を確認する

相続の手続きでは、亡くなった方と相続人の関係を戸籍で確認する場面があります。戸籍証明書等の広域交付では、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できます。

広域交付を請求できるのは、本人、配偶者、直系尊属、直系卑属です。郵送や代理人による請求はできず、窓口で顔写真付きの身分証明書を提示します。コンピュータ化されていない一部の戸籍証明書等は広域交付の対象外です。請求できる書類や窓口は、法務省の広域交付案内で確かめてください。

法定相続情報一覧図を使う

法定相続情報証明制度は、戸除籍謄本等と法定相続情報一覧図を登記所に提出し、登記官の確認を受ける制度です。認証文付きの一覧図の写しは、無料で必要な通数を交付してもらえます。相続登記、預貯金の払戻し、相続税の申告、年金などの手続きで利用できる場合があります。

ただし、放棄や遺産分割の書類は別に必要です。また、一覧図以外に必要な書類は利用先に確認します。申出は相続人が行うほか、行政書士を含む一定の専門家に代理を依頼できます。手続きと必要書類は、法務局の案内で確かめてください。

財産と債務を整理する

預貯金、土地・建物、株式などの財産と、借入れなどの債務について、分かる資料を集めます。遺言書があるときは、内容と保管場所も確認します。誰が何を受け取るかを話し合うときは、その内容を記した遺産分割協議書を作成することがあります。必要書類は、金融機関や法務局など手続き先ごとに異なります。

期限がある三つの手続き

手続き期限の基本相談先
相続放棄など自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月家庭裁判所、弁護士
相続税の申告・納付原則として、死亡を知った日の翌日から10か月税務署、税理士
相続登記不動産を相続で取得したことを知った日から3年法務局、司法書士

相続放棄、限定承認、単純承認を選ぶための期間は、民法で「熟慮期間」と呼ばれます。相続財産を調査しても選択を決められないときは、家庭裁判所に申立てて期間の伸長を求められることがあります。申立先は、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所です。詳しくは、裁判所の案内を確認してください。

相続税は、取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合に、申告と納税が必要です。申告書の提出先は、原則として亡くなった方の住所地を所轄する税務署です。国税庁の案内で申告の要否と期限を確認し、税理士に相談します。

相続登記は、相続や遺言で不動産の所有権を取得した相続人に申請義務があります。遺産分割が成立した場合には、分割が成立した日から3年以内に、その内容に応じた登記を申請する義務もあります。令和6年4月1日より前に始まった相続でも、相続登記をしていない不動産は義務化の対象です。令和6年4月1日より前に不動産を相続で取得したことを知った場合の期限は、令和9年3月31日です。詳しくは、法務省の相続登記の申請義務化案内を確認してください。

遺言書を準備するときの整理

遺言書を作る前に、財産の種類と所在、相続人などの関係、誰に何を残したいかを整理します。自筆証書遺言は、民法で定められた方式があります。原則として、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印します。財産目録には例外があります。方式は、民法第968条で確かめてください。

自筆証書遺言書保管制度では、自身で作成した自筆証書遺言書を遺言書保管所である法務局に預けられます。保管の申請は遺言者本人が行います。代理人による申請や郵送による申請はできません。保管申請の手数料は、遺言書1通につき3,900円です。保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が不要です。

保管申請では、遺言書、申請書、住民票の写しなどを用意します。必要な書類、遺言書の様式、申請できる遺言書保管所、予約の方法は、法務省の遺言書保管制度の案内と手数料一覧で確認してください。遺言書保管所は遺言書の内容について相談には応じないため、内容の整理を専門家に相談したいときは、相談先の役割を確かめます。

手続きの大まかな流れ

  1. 遺言書の有無、亡くなった方の財産と債務、親族関係が分かる資料を集めます。
  2. 戸籍で相続人を確認します。必要に応じて、法定相続情報一覧図を登記所に申し出ます。
  3. 相続放棄などを検討するときは、3か月の期間と家庭裁判所の手続きを確認します。
  4. 遺言書や話合いの内容を踏まえ、預貯金、不動産などの手続き先に必要書類を確認します。
  5. 不動産があるときは相続登記、相続税の申告が必要になるときは申告・納付の期限を確認します。

相談の前に整理しておくこと

  • 亡くなった方の氏名、最後の住所、死亡日
  • 遺言書の有無と、見つかった書類の保管場所
  • 分かっている親族と連絡先
  • 預貯金、不動産、株式、事業用の財産、借入れなどの資料
  • 固定資産税の納税通知書、通帳、保険証券、登記事項証明書など、すでにある資料
  • 相続放棄、相続登記、相続税に関係しそうな日付
  • 話合いが進んでいる点と、意見が分かれている点

相続は誰に相談するか

行政書士には、戸籍などの資料収集、相続関係を整理する書類や遺産分割協議書などの書類作成について相談できます。法定相続情報証明制度の申出では、行政書士に代理を依頼することもできます。依頼できる内容は、手続きと事情によって異なります。

不動産の相続登記は司法書士に相談します。相続税の申告や税額の検討は税理士に相談します。亡くなった方が事業を営んでいた場合でも、従業員の労働・社会保険の手続きは社会保険労務士に相談します。相続人の間で争いがあるとき、交渉や法的な解決を求めるときは弁護士に相談します。

行政書士を探す入口として、日本行政書士会連合会の行政書士会員検索を利用できます。地域の相談窓口は、お住まいの都道府県の行政書士会に確認できます。戸籍は市区町村、相続登記と遺言書保管制度は法務局、相続放棄は家庭裁判所、相続税は税務署でも案内を確認できます。

まとめ

  • 相続では、遺言書、戸籍、財産と債務を整理してから、手続き先ごとの必要書類を確認します。
  • 相続放棄、相続税、相続登記には期限があります。期限と窓口を早めに確認します。
  • 書類作成や戸籍の収集は行政書士、登記は司法書士、税は税理士、労働・社会保険は社会保険労務士、争い・交渉は弁護士に相談します。

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この記事について

公開日:2026年10月25日

確かめた日:2026年10月24日

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