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行政書士のよくある質問の作り方:47件で「十分」は0件だった

行政書士事務所のよくある質問ページは、業務ごとに相談前の疑問へ1問1答で答えると作りやすくなります。47件の内容分析をもとに、土台にする10問、答えの型、在留資格・建設業許可・相続の文例を紹介します。

よくある質問のページは、問い合わせを減らすためだけのページではありません。相談する人が「自分は対象か」「何を準備すればよいか」「どのくらいかかるか」を整理し、連絡する判断をしやすくするページです。

サイトにFAQがない、または「初回相談は可能ですか」のような一般的な質問だけが並ぶ行政書士事務所は、重点業務ごとに質問を作ってみてください。LawProが行政書士事務所47件の主なページを分析したところ、費用に関する2問を除く典型的な8問すべてに具体的に答えていた事務所は0件でした。[1]

この記事では、行政書士のよくある質問を作る土台となる10問、答えの書き方、在留資格・建設業許可・相続の文例を紹介します。最初から大きなFAQページを作る必要はありません。重点業務を一つ選び、実際に繰り返し受ける質問から始めれば十分です。

FAQは「相談前に止まるところ」を先に答えるページ

相談する人は、制度を最初から理解しているとは限りません。業務ページを読んでも、自分が依頼できるか、いつまでに何をすればよいか、費用は何で変わるかが分からなければ、問い合わせをためらうことがあります。

よくある質問では、事務所が受ける範囲を明らかにしながら、その迷いを一つずつ減らします。一般的な「よくある質問」を一か所に集める方法もありますが、在留資格、建設業許可、相続では相談者が知りたいことが違います。重点業務のページに、その業務の質問と答えを置くほうが、読む人は自分に関係する情報を見つけやすくなります。

FAQに書いた内容は、問い合わせフォームで事前に聞く内容にも使えます。たとえば「いつまでに必要ですか」「現在の状況で分かっていることは何ですか」と聞けるようにすると、相談者が状況を整理しやすくなります。事務所側も、受けられる相談かを確認しやすくなります。

47件の内容分析で見えた、FAQの土台になる10問

LawProは2026年10月5日、行政書士事務所50件を選び、取得できた47件について、トップと主なページを最大5ページ確認しました。相談する人が知りたい10問を一問ずつ、「具体的な記載」「関連する記載」「記載なし」で判定した内容分析です。[1]

費用の2問を除く8問すべてに具体的な記載がある場合を「具体的に載っている」と判定しました。その判定に当てはまった事務所は0件でした。FAQを1ページにまとめているサイトも対象に含めています。[1]

これは、事務所の実力や受任件数を測る調査ではありません。取得したページの外にある情報は数えていないため、実際より少なく出ている可能性があります。個別の事務所を評価したり、順位を付けたりするものでもありません。それでも、相談前に必要な情報を、見つけやすく補う余地は読み取れます。

次の10問を、業務別FAQを作るときの土台にしてください。

相談する人の疑問FAQで書くこと
どの順番で進むか相談から完了までの流れ
いつごろ終わるか期間の目安と、変わる事情
どの地域で頼めるか対応地域
どこまで頼めるか対応する手続きの範囲
自分は対象か対象となる方
条件を満たすか要件・条件
何を用意するか必要書類
誰が何を準備するか依頼する方と事務所の準備の分担
報酬はいくらか基本の報酬額
報酬以外に何がかかるか別にかかる費用

表の10問を一度に公開しなくても構いません。まず、問い合わせで聞かれる回数が多い質問を3つ選びます。その後、相談の記録から質問を足していくと、実態に合ったページになります。

答えは「結論→場面→確認すること→次の一歩」で書く

答えを長くしても、相談者の状況が整理されるとは限りません。結論から書き、どんな場面で変わるか、相談前に何を確かめればよいかを続けると、短くても使いやすい答えになります。

  1. 結論:最初に、対応するか、目安は何かを答えます。
  2. 場面:結果や準備が変わる代表的な事情を示します。
  3. 確認すること:相談者が手元で確かめられる情報を挙げます。
  4. 次の一歩:相談時に伝えてほしいこと、読むページを案内します。

要件、期間、手数料などは、状況や制度の変更で答えが変わります。断定して簡略化せず、確認時点と根拠になる公的な情報を添えてください。個別の事情に対する結論をFAQで出すのではなく、一般的な見通しと、個別に確認する点を分けて書きます。

文例:在留資格の相談で必要書類を聞かれたとき

Q. 在留資格の手続きでは、最初に何を用意すればよいですか。
A. 必要書類は、手続きの種類や本人・雇用する会社の状況によって変わります。まず、希望する手続き、現在の在留資格、予定している時期、雇用条件など、分かる範囲をお知らせください。内容を確認したうえで、必要な書類と準備の分担をご案内します。書類をそろえる前に相談したい場合も、現在分かっている事情をフォームにお書きください。

この文例は、事務所が実際に対応する手続きだけに合わせて直します。「必ず許可されます」「この書類だけで足ります」といった、個別事情を省いた表現は使いません。

業務別に、最初の3問を作る

同じ質問でも、業務によって答える順番が変わります。次の例は、書き始めるための型です。対応範囲、実際の運用、確認時点の制度に合わせて、公開前に必ず書き換えてください。

在留資格:対象と時期を早く確かめる

在留資格の相談では、本人からの相談か、外国人を採用する企業からの相談かで、最初に確認したい内容が変わります。

質問答えに入れる内容
どの手続きに対応していますか変更、更新、認定証明書交付など、実際に扱う手続き
いつ相談すればよいですか希望する時期と、確認に時間がかかる事情
会社側で準備するものはありますか雇用条件など、最初に分かる範囲で伝えてほしい事項

「最短何日」と固定した期間を出すより、何を確認してから見通しを伝えるのかを書くほうが、相談者にも事務所にも行き違いが少なくなります。

建設業許可:手続きの範囲と地域を分ける

建設業許可では、新規、更新、業種追加など、事務所が対応する範囲を先に示します。対応地域も、来所、オンライン、訪問の可否と分けて書くと、相談者は連絡しやすくなります。

質問答えに入れる内容
新規申請以外も依頼できますか更新、業種追加、変更届など、受ける手続きの範囲
どの地域に対応していますか受任する地域と、面談・連絡の方法
依頼者と事務所は何を準備しますか相談時に確認する事項、依頼者が用意する資料、事務所が進める作業

建設業許可の更新時期や手数料など、制度・運用に関する情報をFAQに載せる場合は、許可行政庁の案内を確認し、確認日を記載します。一般的な説明と、個別の許可要件の判断は分けてください。

相続:最初の相談で分かるとよいことを伝える

相続の相談は、相談者が何から話せばよいか迷いやすい分野です。必要書類を一度に列挙する前に、事務所で対応する範囲と、最初に分かると進めやすいことを示します。

質問答えに入れる内容
どのような相談に対応していますか実際に対応する書類作成や相談の範囲
最初の相談で何を伝えればよいですか分かる範囲の関係者、財産、時期、困っていること
書類はいつまでに集めますか初回相談後に確認する書類と、状況で変わること

事務所で扱わない内容がある場合は、曖昧にせず、対応範囲として記載します。相談者が早い段階で適切な相談先を選べるためです。

1ページに詰め込まず、質問を業務ページにも置く

FAQページを作ったら、質問と答えをそのまま1ページに置くだけで終わらせません。業務ページの末尾に、その業務に関係する3〜5問を置き、詳しく答える必要がある質問は個別ページにします。

たとえば、「建設業許可の更新はいつ相談すればよいですか」の答えが長くなるなら、その質問を見出しにした記事へ分けます。FAQページには短い結論とリンクを置けば、全体を探しやすく保てます。記事の題材を増やしたい場合は、行政書士のホームページの参考例や、ホームページから問い合わせが来ないときに見直す12項目も参考にしてください。

公開後は、問い合わせで実際に聞かれたことを、個人が分からない一般的な質問に置き換えて追加します。答えを直した日と根拠も控えておくと、制度の変更時に見直す場所が分かります。

FAQPageの構造化データは、表示を目的にしない

構造化データは、ページの内容を標準化した形式で伝えるためのものです。Googleは、ページに表示されない情報だけを構造化データに追加しないよう案内しています。[2]

ただし、Google 検索セントラルは2026年6月、よくある質問のリッチリザルト機能に関するドキュメントを削除し、その理由を、同機能が検索結果に表示されなくなったためと説明しています。[3] 行政書士事務所のFAQでFAQPageを設定しても、検索結果での表示は期待しないでください。

実装する場合も、画面に表示している質問と答えだけを対象にし、内容を先に整えます。構造化データの有無より、相談者が読んで次の一歩を選べる答えになっているかを確認することが先です。

まとめ:まず重点業務の3問から公開する

行政書士のよくある質問は、一般的な案内を増やすページではなく、業務ごとの相談前の不安を整理するページです。

  • 47件の内容分析では、費用を除く典型的な8問すべてに具体的に答えていた事務所は0件でした。
  • 10問を土台に、重点業務ごとに「結論→場面→確認すること→次の一歩」で答えます。
  • 最初は、実際に多い質問を3問選び、業務ページに置くことから始めます。

今週は、在留資格、建設業許可、相続など、重点業務を一つ選んでください。その業務で最初に聞かれやすい「対象」「時期」「準備」の3問を書き出せば、FAQページの骨組みになります。

LawProは、相談ナビ・相談管理・発信の支援を通じて、相談する人が状況を整理し、事務所が受けられる相談を受け取りやすい仕組みづくりをお手伝いしています。今のサイトで、どの質問から整えるかを整理したい先生は、無料サイト診断をご利用ください。

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この記事について

公開日:2026年10月30日

確かめた日:2026年10月23日

出典:

  1. LawPro「選ばれる士業事務所の情報発信 2026レポート」第3章・第4章。内容分析は2026年10月5日に行政書士事務所47件を対象に実施し、各サイトのトップと主なページを最大5ページ確認したものです。
  2. Google 検索セントラル「Google 検索における構造化データのマークアップの概要」(2026年10月23日確認)
  3. Google 検索セントラル「ドキュメントの最新の更新内容」(2026年10月23日確認)