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行政書士のホームページの参考例:897件の実測でわかったこと

行政書士がホームページの参考例を見るときに、デザインだけでなく情報の置き方を確かめる方法を紹介します。897件の実測と47件の内容分析から、相談の入口、費用、よくある疑問、更新日の見方を整理します。

行政書士のホームページを作る、または見直すとき、ほかの事務所のサイトは役立つ参考になります。ただ、写真の雰囲気や色使いだけを見ていると、自分の事務所で何を直せばよいかは決まりにくいものです。

参考にしたいのは、相談する人が必要な情報にたどり着くまでの「情報の置き方」です。LawProが行政書士サイト897件を実測し、47件の主なページを内容分析したところ、多くのサイトで整っていたのは相談の入口でした。一方で、費用を分けて書くこと、よくある疑問への答え、更新日には差がつきやすい傾向が見えました。[1]

この記事では、行政書士のホームページの参考例を見るときの見方を、数字と一緒に整理します。個別の事務所を評価するための調査ではありません。よいと思ったサイトから、構成や情報の順番を自分の業務に合わせて持ち帰るために使ってください。

参考にするのは、デザインより「相談までの道筋」

見た目が整っているサイトでも、在留資格や建設業許可を調べている人が、対応範囲や費用、相談方法を見つけられなければ、次の行動には進みにくくなります。反対に、派手な動きがなくても、必要な情報が順番に置かれていれば、相談する人は自分に関係する内容を確かめやすくなります。

参考サイトを開いたら、まずトップページから次の流れをたどってみてください。

  1. どの地域で、どの相談を受ける事務所か分かる
  2. 自分に関係する業務ページを見つけられる
  3. 対応範囲、進め方、費用、よくある疑問を確かめられる
  4. 電話、フォームなど、相談の入口へ迷わず進める

たとえば在留資格なら、外国人本人向けか雇用する会社向けか、更新・変更・認定証明書交付のどこを扱うかで、読む人が必要とする情報は変わります。建設業許可なら、新規・更新・業種追加と対応地域を、相続なら対応する手続きの範囲と相談の進め方を、早い段階で確かめられるかを見ます。

この流れがよく分かるサイトは、色やレイアウトをそのまま写す必要はありません。「最初に何を伝え、次にどこへ案内しているか」をメモすると、自分のサイトに合う参考になります。

897件の実測で見えた、サイトの土台

LawProは2026年9月22日から25日に、行政書士事務所の紹介サイトに載っていた独自ドメイン1,201件のうち、計測時に正常に開けた897件を調べました。[1]

項目結果参考サイトで見るところ
更新日の情報を取得できたサイト897件中170件(19.0%)業務ページや記事に、いつ時点の情報か分かる表示があるか
取得した更新日の情報が1年以上前170件中77件(45.3%)古い日付でも内容を確認しているか。日付だけで更新状況を決めない
構造化データ897件中442件(49.3%)見た目ではなく、公開時に検索エンジンへ情報を伝える設定も確認する
sitemap.xml897件中578件(64.4%)ページを増やしたときに、一覧を検索エンジンへ知らせる仕組みがあるか
トップからたどれるページ数中央値27ページページ数ではなく、必要なページへたどり着けるか

構造化データは、schema.orgの形式で情報を機械に伝える設定です。sitemap.xmlは、サイト内のページ一覧を検索エンジンに知らせるファイルです。どちらもサイトの見た目からは分かりにくい項目です。デザインの参考例を探す段階で優先する必要はありませんが、制作や公開の確認では候補になります。

更新日の情報は、ページ内の更新日の表示と、サーバーが返すHTTPヘッダーのLast-Modifiedから取得しました。HTTPヘッダーの日付は、ファイルが置き直された日などを表すこともあり、記事の本文が最後に更新された日とは限りません。更新日の情報が取れないことも、更新していないことを意味しません。[1]

そのため、「日付が新しいサイト」だけを参考にするのではなく、手続きの説明、費用、連絡方法が今の事務所の案内として読めるかを見ます。一方で、自分のサイトでは、読んだ人が情報の時点を判断できるよう、業務ページや記事に確認日または更新日を示すとよいでしょう。

47件の内容分析で見えた、参考にしたい情報の置き方

2026年10月5日、行政書士事務所のサイト50件を選び、取得できた47件について、相談する人が知りたい6つの観点が載っているかを確かめました。[1]

観点具体的に載っている一部だけ見つからない
相談の入口39件7件1件
サイト内での探しやすさ20件7件20件
専門分野14件31件2件
費用12件29件6件
相談する人の声2件17件28件
よくある疑問への答え0件46件1件

相談の入口は、ほとんどの事務所が用意していました。参考サイトを見るときも、電話番号、メール、フォームといった窓口そのものだけでなく、どのページからでも相談方法が分かるかを見ます。スマートフォンで業務ページを開き、相談まで何回画面を移動するかを試すと、入口の置き方を比べやすくなります。

差が出やすかったのは、費用とよくある疑問への答えです。費用は、基本の報酬額と、別にかかる費用の両方が具体的に書かれている場合を「具体的に載っている」としました。そのように判定できたのは12件でした。[1]

建設業許可なら、報酬の目安とは別に、行政庁に納める手数料や証明書の取得費など、別にかかる費用があるかを分けて説明する形が考えられます。個別事情で変わるなら、幅が出る理由と見積もりを出す時点も添えます。料金表の詳しい考え方は、行政書士の報酬額表の掲示と、サイトの料金表の書き方で確認できます。

「よくある疑問への答え」は、費用の2問を除く8問について、8問すべてに具体的な記載があれば「具体的に載っている」と判定しました。調べた47件では0件で、46件は一部だけでした。FAQを1ページにまとめている場合も対象に含めています。[1]

在留資格のページなら、相談から完了までの流れ、対応する手続きの範囲、必要書類が状況で変わるか、対応地域などを、実際に受ける質問から選んで答えます。相続のページなら、最初の相談で分かると進めやすいこと、依頼する方と事務所の準備の分担、費用の考え方を置けます。参考サイトに答えが見当たらない項目は、自分のサイトで先に用意する候補になります。

数字を参考にするときに知っておきたい調査の範囲

897件の実測は、サイトが外に示している更新日、sitemap.xml、構造化データなどを直接取得したものです。検索APIや有料サービスは使っていません。紹介サイトに載っている事務所が対象で、登録者全体を代表するものではありません。都市部の事務所が多めに含まれます。[1]

47件の内容分析は、各サイトのトップと主なページを最大5ページ取得し、決まったルールで記載を機械的に確かめました。確認した疑問は、相談から完了までの流れ、期間の目安、対応地域、対応する手続きの範囲、対象となる方、要件・条件、必要書類、依頼する方と事務所の準備の分担、基本の報酬額、別にかかる費用の10問です。1問ずつ「具体的な記載」「関連する記載」「記載なし」を判定しました。[1]

取得したページの外にある情報は数えていないため、実際より少なく出ている可能性があります。内容分析は行政書士の事務所だけを対象にしており、司法書士・弁護士の事務所の実態を表すものではありません。また、サイトに何が載っているかを調べたもので、事務所の実力や受任件数との関係を測ったものではありません。個別の事務所の評価や順位付けを目的としていません。[1]

参考サイトを見るときのチェック表

次の表を使うと、気になったサイトを「きれいかどうか」だけで終わらせず、自分のサイトに取り入れる要素を整理できます。すべてを1サイトから学ぶ必要はありません。1つのサイトからは相談の入口、別のサイトからは業務ページの並び方というように見てください。

見る所確かめる質問自分のサイトで決めること
最初の画面地域、業務、対象者が短い言葉で分かるか重点業務と、相談を受けたい相手を1行で書く
業務ページ在留資格、建設業許可、相続など、知りたい業務へ進めるか業務ごとに対応範囲と流れを分ける
費用報酬と別にかかる費用が分かれているか金額の目安、含むもの、別にかかるものを分ける
疑問への答え期間、必要書類、対応地域、準備の分担を確かめられるか実際によく聞かれる質問を1つずつ答える
相談の入口どのページからも連絡方法と返信の目安が分かるか電話・フォームなどの窓口と、最初に聞く内容を決める
情報の時点更新日または確認日が表示されているか見直した日を記録し、必要に応じて表示する

表を埋めたら、最も足りない項目を1つだけ選びます。たとえば「建設業許可のページに、報酬と別にかかる費用を足す」「在留資格のページに、対応範囲を示す」「相続のページに、最初の相談で聞くことを書く」といった形です。参考例を集め続けるより、小さく直して相談する人の反応を確かめるほうが、次に見るべき参考例もはっきりします。

参考にするときは、事実と表現をそのまま写さない

ホームページは、行政書士職務基本規則でいう広告宣伝に含まれます。同規則第17条は、不当な目的を意図し、または品位を損なうおそれのある広告宣伝を禁止し、事実に合致しない内容、誤認または誤導のおそれのある内容、誇大な広告宣伝をしてはならないと定めています。[2]

参考サイトにある実績、対応件数、保有資格、対応言語、利用者の声などを、自分の事務所の情報として写すことはできません。表現の形を参考にするときも、掲載する内容が事実に合っているか、根拠を示せるかを確認します。業務の要件、期間、手数料など変わり得る情報は、公開前に一次情報で確かめ、確認日も記録します。

まとめ:参考例から、情報の順番を持ち帰る

行政書士のホームページの参考例を見るときは、デザインを比べる前に、相談する人が必要な情報へ進めるかを確かめます。

  • 897件の実測では、ページ数だけで情報の充実度は判断できず、更新日も取得方法に限りがあります。
  • 47件の内容分析では、相談の入口は整っている一方、費用を分けて書くことと、よくある疑問への答えに改善の余地が見えました。
  • まずは重点業務を1つ選び、対応範囲、費用、疑問への答え、相談の入口のうち1項目を直してみてください。

ホームページをこれから作る場合は、行政書士のホームページの作り方:自作・テンプレート・依頼を比べるも参考にしてください。問い合わせが少ないと感じる場合は、ホームページから問い合わせが来ないときに見直す12項目で、相談までの流れを点検できます。

LawProは、相談ナビ・相談管理・発信の支援を通じて、事務所の相談の仕組みを整えるお手伝いをしています。サイトの情報の置き方と相談の入口を整理したい先生は、無料サイト診断をご利用ください。

この記事について

公開日:2026年10月25日

確かめた日:2026年10月23日

出典:

  1. LawPro「選ばれる士業事務所の情報発信 2026レポート」第3章。行政書士サイト897件の実測は2026年9月22日〜25日、内容分析は行政書士事務所47件を対象に2026年10月5日に実施。
  2. 日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」第17条(PDF、令和8年7月15日施行の版)(2026年10月23日確認)