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行政書士のホームページの作り方:自作・テンプレート・依頼を比べる

行政書士がホームページを作る前に決めたい掲載内容と、自作・テンプレート・制作依頼の選び方を解説します。在留資格、建設業許可、相続の例と、公開前の12項目も紹介します。

行政書士としてホームページを作るときは、「自作なら安い」「依頼ならきれい」といった作り方から考えがちです。ただ、先に決めたいのは、どの相談者に何を伝えるかです。

在留資格、建設業許可、相続では、相談する人が知りたいことも、問い合わせ前の不安も違います。掲載する内容が決まっていれば、自作でもテンプレートでも、制作を依頼しても、相談につながるサイトに近づきます。反対に、内容が曖昧なまま作り始めると、見た目を整えても「この事務所に相談してよいのか」が伝わりません。

この記事では、行政書士のホームページの作り方を比べながら、最初に決める内容と公開前の確認点をまとめます。

まずは「何を載せるか」を1枚に書き出す

制作方法を選ぶ前に、重点にする業務ごとに、次の6点をメモします。文章として完成させる必要はありません。制作会社に依頼するときも、このメモがあれば、必要なページと見積もりを比べやすくなります。

  1. 誰の、どんな相談か:地域、立場、困っている場面
  2. 対応する手続きの範囲:できることと、最初に確認したい条件
  3. 進め方:相談から依頼、完了までのおおまかな流れ
  4. 費用:報酬の目安、報酬に含むもの、別にかかる費用
  5. よくある疑問:期間、必要書類、対応地域、相談前の準備など
  6. 相談の入口:連絡方法、受付時間、返信の目安、フォームで最初に聞くこと

たとえば在留資格なら、「外国人本人・雇用する会社のどちらからの相談を受けるか」「更新、変更、認定証明書交付のどこまで対応するか」を先に分けます。建設業許可なら、新規・更新・業種追加、対応地域、急ぎの相談への対応を整理します。相続なら、遺言書作成支援、遺産分割協議書、相続人調査など、事務所が扱う範囲を明らかにします。

各業務を1ページに分けるかどうかも、この段階で決まります。トップページに「許認可に対応」とだけ書くより、「東京都で建設業許可の新規申請・更新を支援」のように、対象と業務が分かるページを用意したほうが、読んだ人は自分に関係するか判断しやすくなります。

自作・テンプレート・依頼は、かけられる時間と役割で選ぶ

作り方向いている状況良いところ気をつけたい点
自作開業直後で、まず小さく公開したい内容をすぐ直せる。ページの考え方を身につけやすい文章、写真、設定まで自分で決める時間が要る
テンプレート基本の形を使い、早く整えたい構成やデザインの土台がある例文をそのまま残すと、重点分野や強みが伝わりにくい
制作を依頼業務や営業に時間を使いたい。必要なページが見えている設計、写真、デザイン、実装を分担できる原稿や確認を任せきりにすると、内容が薄くなりやすい

道具の例と、かかる費用の目安

2026年10月22日に、各社の公式の料金ページで確かめた金額です。料金は変わることがあるので、申し込む前に最新の金額を確かめてください。[5][6][7]

  • ホームページ作成サービス(テンプレートを選び、文章と写真を入れ替えて作る)
  • Wix は月1,300円から(税別。選んだ期間の分をまとめて支払う形)
  • ペライチは月1,628円から(税込)
  • サーバーの管理は要りません。
  • WordPress(サーバーを借りて、自分で組み立てる)
  • さくらのレンタルサーバは月500円から(税込)。
  • デザインや機能の自由度は高い一方で、更新や安全のための管理も自分で行います。
  • 独自ドメイン(事務所名.jp などのアドレス)
  • 種類と登録先によって年額が変わります。
  • 作成サービスによっては、1年目が無料になるプランもあります。
  • 制作の依頼
  • ページ数、原稿と写真をどちらが用意するか、公開後の更新をどこまで頼むかで、見積もりは大きく変わります。
  • 同じ条件をそろえて、2〜3社で比べてください。

月数百円から数千円で始められるので、開業直後は作成サービスかテンプレートで重点の1〜2分野を先に公開し、相談が増えてから作り込む、という順番も取れます。

費用は、作り方だけでは比べられません。独自ドメインやサーバー、テンプレートやサービスの利用料に加え、写真、文章、ページ追加、公開後の更新を誰が担うかで変わります。見積もりを取るときは、金額だけでなく「どのページを何ページ作るか」「原稿は誰が用意するか」「公開後に自分で更新できるか」を同じ条件で確認します。

自作でも、最初から全業務を載せる必要はありません。重点の1〜2分野、事務所案内、料金、相談の流れ、問い合わせを先に公開し、相談でよく聞かれることを後から足すほうが続けやすいです。テンプレートや依頼の場合も、画面の見本を選ぶ前に、前の章の6点を渡してください。

デザインの参考は「見た目」より情報の順番を見る

行政書士サイト897件を2026年9月22日から25日に実測したところ、構造化データを設定していたサイトは442件(49.3%)、sitemap.xml を確認できたサイトは578件(64.4%)でした。[1] 構造化データは、事務所やページの情報を検索エンジンに伝えやすくする書き方です。サイトマップは、サイト内のページ一覧を検索エンジンに知らせるファイルです。

これらは公開時に確認したい基本設定ですが、設定だけで相談が増えるわけではありません。897件のトップからたどれるページ数の中央値は27ページでしたが、ページ数だけでは内容の充実度は分かりません。[1] 参考にするサイトを見るときは、色や動きより、次の順番を見ます。

  • 最初の画面で、地域・重点分野・対象者が分かるか
  • 業務ページで、対応範囲、費用、進め方へ迷わず進めるか
  • 相談前に知りたい疑問に答えているか
  • スマートフォンで、どのページからも相談方法が分かるか

デザインは、内容を読んでもらうための器です。写真を使うなら、事務所の雰囲気や先生の人柄が伝わるものを選び、文字が小さすぎないかをスマートフォンで確かめます。無理に専門的な仕組みを増やすより、情報の順番と読みやすさを先に整えます。

料金とよくある疑問は、後回しにしない

LawProが行政書士事務所47件の主なページ(各サイト最大5ページ)を調べたところ、専門分野を具体的に載せていたのは14件でした。報酬と別にかかる費用の両方を具体的に載せていたのは12件で、典型的な疑問に十分に答えていると判定できたサイトは0件でした。[1] 調査範囲外のページに情報がある可能性はありますが、相談者が探しやすい場所に答えを置く余地は大きいといえます。

料金ページでは、手続きごとに報酬の目安を示し、報酬に含まれる作業と、別にかかる費用を分けます。たとえば建設業許可なら、行政庁に納める手数料や証明書取得費など、報酬とは別の費用があり得ることを明記します。個別事情で金額が変わるなら、その理由と、見積もりを出すタイミングも書きます。

行政書士法第10条の2第1項は、業務に関し受ける報酬額を事務所の見やすい場所に掲示するよう定めています。行政書士法施行規則第3条第1項は、日行連の定める様式に準じた表による掲示を定めています。行政書士職務基本規則第24条も、事務所での掲示に加え、インターネットなどで公表するよう努めるとしています。[2][3][4] ホームページの料金表は相談者に役立ちますが、事務所での掲示とは別に整え、具体的な様式や運用は所属する行政書士会にも確認してください。

よくある疑問は、1つずつ短く答えます。たとえば在留資格なら「相談から申請までの流れ」「必要書類は状況で変わるか」「対応地域」、相続なら「最初の相談で分かるとよいこと」「手続きの分担」「費用の考え方」を、実際に受ける質問から選びます。期限や要件など変わり得る情報には、確認した日と公的な根拠を添えます。

広告として公開する前に、事実と表現を確認する

ホームページやSNSも、行政書士職務基本規則でいう広告宣伝に含まれます。同規則第17条は、不当な目的または品位を損なうおそれのある広告宣伝を禁止し、事実に合わない内容、誤認・誤導のおそれがある内容、誇大な広告宣伝も禁止しています。[4]

そのため、「必ず許可が取れる」「地域で一番」「最短で完了」といった表現は、根拠の有無だけでなく、読んだ人に誤解を与えないかを慎重に確認します。実績、保有資格、対応言語、口コミを載せるときも、事実関係と掲載の可否を確認してください。業務ごとの制度や、所属会での運用は変わることがあるため、公開前に最新の会則・規程を確認する手順を決めておくと安心です。

公開前に見直したい12項目

作り方にかかわらず、公開前と更新時に次の12項目を確かめます。すべてを一度に直せなくても、空欄が多い領域から取り組めば十分です。[1]

見つけてもらう

  • 「地域名+分野」で検索したとき、どのページが出るかを知っている
  • 事務所名・所在地・電話番号が、サイトと地図の情報で一致している
  • 記事や業務ページに更新日が書いてある

分かってもらう

  • 最初の画面で、分野と対象者が1行で分かる
  • 重点分野ごとにページが分かれている
  • よくある疑問に、1つずつ答えるページがある

信頼してもらう

  • 手続きごとに報酬の目安が書いてある
  • 報酬と別にかかる費用が分けて書いてある
  • 代表の考え方と、相談から完了までの流れが書いてある

相談してもらう

  • スマートフォンで、どのページからも相談の入口に進める
  • フォームで、分野・時期・不安を先に伝えられる
  • 相談後、いつごろ返信が届くかが書いてある

まとめ:制作方法の前に、相談者が知りたいことを決める

行政書士のホームページは、自作・テンプレート・制作依頼のどれでも作れます。選ぶ基準は、予算だけでなく、内容を準備・更新する時間と、どこまでを外部に任せるかです。

まずは重点にしたい業務を1つ選び、対象者、対応範囲、費用、流れ、よくある疑問、相談の入口を書き出してください。その1枚があれば、作り方を選びやすくなり、公開後に直す場所も見えてきます。

LawProでは、事務所サイトを「見つけてもらう・分かってもらう・信頼してもらう・相談してもらう」の観点で確認し、改善の方向をご提案しています。作り直しの前に今のサイトを整理したい先生は、無料サイト診断をご利用ください。

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この記事について

公開日:2026年10月25日

確かめた日:2026年10月22日

出典:

  1. LawPro「選ばれる士業事務所の情報発信 2026レポート」第3章・第7章。行政書士サイト897件の実測は2026年9月22日〜25日、内容分析は行政書士事務所47件を2026年10月5日に調査。
  2. e-Gov法令検索「行政書士法」第10条の2
  3. e-Gov法令検索「行政書士法施行規則」第3条
  4. 日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」第17条・第24条(PDF、令和8年7月15日施行の版)
  5. Wix「ご利用料金」(2026年10月22日確認)
  6. ペライチ「料金・プラン一覧」(2026年10月22日確認)
  7. さくらのレンタルサーバ(2026年10月22日確認)