建設業許可の相談を増やしたい行政書士は、新規許可だけを入口にしないほうが、発信の計画を立てやすくなります。建設会社には、許可の更新、業種追加、毎事業年度の終了後に行う決算変更届など、時期が見える手続きがあります。困りごとが具体的になる少し前に、必要な情報と相談の入口を用意しておくことが大切です。
建設業許可は5年ごとに更新が必要です。許可は業種ごとに受けるため、事業の広がりに伴う追加の相談もあります。さらに、許可を受けた建設業者には、毎事業年度経過後4か月以内に書類を提出する定めがあります。[1]
この記事では、建設業許可の集客を「時期のある相談」に合わせて組み立てる方法を紹介します。更新を急かす記事を書くためではありません。建設会社が確認したいことを、正確な根拠とともに読める形にし、必要なときに思い出してもらうための発信です。
新規許可だけでなく、繰り返す手続きを入口にする
新規許可は、会社の設立、受注の増加、元請からの要請など、個別の出来事で相談が生まれます。一方で、更新や決算変更届には一定の周期があります。年間の発信予定に置きやすく、相談後も翌年以降の接点につながりやすい点が特徴です。
| 相談のきっかけ | 発信する内容 | 相談の入口で聞くこと |
|---|---|---|
| 更新が近い | 有効期間、更新準備、管轄の確認先 | 許可番号、満了日、許可行政庁 |
| 業種を増やしたい | 業種追加の考え方、現在の許可との関係 | 現在の許可区分、追加したい工事の内容 |
| 決算期を終えた | 決算変更届の期限、準備する資料の案内 | 決算日、知事・大臣の別、過去の提出状況 |
| 営業所や役員などが変わった | 変更事項ごとの確認先 | 変更内容、発生日、許可行政庁 |
この表は、受任できることを広く約束するためのものではありません。事務所が対応する地域と手続きだけを残して、問い合わせフォームや初回連絡で聞く項目に使います。税理士や建設会社の担当者に渡す案内にも、同じ言葉を使うと伝わりやすくなります。
建設業許可の更新・業種追加・決算変更届を一枚の長いページに詰め込む必要はありません。まずは、各手続きの案内ページを分けます。そのうえで「いつ確認するか」を説明する記事から、該当する案内ページへつなぎます。
更新の記事は、満了日から逆算して公開する
建設業法第3条第3項は、許可を5年ごとに更新しなければ、期間の経過によって効力を失うと定めています。国土交通省は、有効期間を5年間とし、従前の許可の有効期間が満了する30日前までに更新申請が必要と案内しています。[1][2]
記事では、法律上の期限と、管轄行政庁の受付時期を混同しない書き方にします。たとえば沖縄県は、更新手続きを満了日の3か月前から1か月前までの間に行うよう案内しています。[5] 提出先、部数、様式、受付の運用は許可行政庁によって異なります。地域名を入れた記事では、必ず管轄の手引や最新の様式へリンクしてください。
更新記事の題名は、「建設業許可の更新はいつから準備するか:満了日と確認したいこと」のように、検索する人の疑問から始めます。本文では、次の順に書くと、個別の可否を断定せずに役立つ案内になります。
- 許可通知書などで満了日と許可行政庁を確認すること
- 更新の法定の扱いと、管轄の受付時期・提出方法を別々に確認すること
- 毎年の決算変更届や変更事項に関する届出の提出状況も確認すること
- 事務所が対応する相談の範囲、初回に必要な情報、連絡方法
満了日の30日前に初めて記事を公開しても、読者が資料を確認する時間は残りにくくなります。たとえば、対応地域の事務所では、満了日の3か月前を目安に記事を見直し、2か月前に短い案内を出す運用が考えられます。これは法定の締切を独自に早めるものではなく、読者が管轄の案内を確認する余裕を持てるようにするためです。
決算変更届は、毎年の案内を紹介につなげる
建設業法第11条第2項は、許可に係る建設業者が、毎事業年度終了時の書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後4か月以内に提出しなければならないと定めています。[1] 都道府県の案内では、この手続きを「決算変更届」または「決算報告」と呼んでいます。[4]
ここは、税理士との接点を作りやすい場面です。ただし、税務の判断や税理士の業務を説明する記事にする必要はありません。行政書士としての案内は、「建設業許可に関する提出期限と必要な確認事項」を中心にします。
税理士へ渡す案内は、A4一枚程度でも足ります。次の情報があれば、顧問先へ必要な時期に共有しやすくなります。
- 決算日から4か月以内という提出時期
- 対象は建設業許可を受けている会社・個人事業主であること
- 工事経歴書、財務諸表などの提出書類は許可行政庁の案内で確認すること
- 行政書士に相談する際に、許可番号、許可行政庁、決算日を伝えること
- 事務所の対応地域と相談方法
神奈川県の案内でも、決算変更届として工事経歴書、財務諸表等を毎事業年度終了後4か月以内に提出するとされています。また、知事許可と大臣許可で納税証明書の扱いが分かれる案内があります。[4] 書類名を一般化して断定せず、対象の許可行政庁のページを案内するほうが、地域差や改定に対応しやすくなります。
許可区分の説明は、正確さを優先して短く書く
検索されやすい「知事許可と大臣許可」「一般と特定の違い」は、集客のために単純化しすぎないことが重要です。説明を読んだ建設会社が、自社の確認先を見つけられることを目標にします。
国土交通省によると、大臣許可と知事許可の区分は営業所の所在地によるものです。二以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣、一の都道府県内のみに営業所を設ける場合は都道府県知事の許可となります。この区分は、営業や施工を行える区域を制限するものではありません。[2]
一般建設業と特定建設業は、下請契約の規模などで区分されます。国土交通省は、発注者から直接請け負った一件の工事で、下請契約の総額が5,000万円以上、建築工事業では8,000万円以上となる下請契約を締結する場合には、特定建設業の許可が必要と案内しています。これ以外は一般建設業の許可で差し支えないとされています。[2]
たとえば、ページの導入は次のように書けます。
大臣許可・知事許可は、営業所の所在地により分かれます。一般・特定は、元請として直接請け負った工事で締結する下請契約の規模などにより分かれます。自社に必要な区分は、営業所の状況と予定する工事の内容を整理して、最新の行政庁の案内で確認しましょう。
この文のあとに、対応する相談範囲を置きます。「知事許可の更新と業種追加を中心に対応」「大臣許可は対応地域・内容を事前に確認」といった表示です。結論だけを断定するよりも、相談者が必要な情報を持って連絡できる形になります。
手数料は報酬と分け、出典と確認日を示す
料金表や業務ページでは、行政書士報酬と、行政庁に納める費用を分けて書きます。国土交通省の案内では、大臣許可の新規は登録免許税15万円、知事許可の新規は許可手数料9万円です。大臣許可の更新・同一区分内の追加、知事許可の更新・同一許可区分内の追加は、いずれも5万円とされています。[3]
都道府県知事許可の納入方法は、都道府県により異なります。[3] そのため、記事や料金表には「行政庁に納める費用。申請区分・管轄により確認」と添え、出典URLと確認日を示します。事務所の報酬、証明書取得費、郵送費なども同じ欄に混ぜず、何が別にかかるかを分けて案内してください。
報酬額表の掲示と、サイトの料金表の整え方は、行政書士の報酬額表の掲示と料金表の書き方で詳しく紹介しています。建設業許可の料金ページは、この記事の考え方を使いながら、実際に受ける申請区分だけを載せると分かりやすくなります。
年間の発信予定を、小さく始める
建設業許可の集客は、記事の本数を増やすことではなく、時期と相談の入口を結び付けることです。最初の3か月は、次の順で整えると進めやすくなります。
- 対応する地域、知事・大臣の別、新規・更新・業種追加・決算変更届の対応範囲を書き出す
- 更新案内と決算変更届の案内を、それぞれ一ページずつ作る
- 相談フォームに、手続き名、許可行政庁、満了日または決算日を入力できる欄を置く
- 建設会社と税理士へ渡す案内を作り、記事のURLを載せる
- 問い合わせで多い質問を、個人や会社を特定しない形で次の記事にする
紹介を増やすには、紹介者に負担をかけないことも大切です。「建設業許可の相談なら紹介してください」だけでは、どの顧問先に声をかけるべきか伝わりません。「許可の満了日が近い」「決算を終えた」「新しい工事を受けるため業種を検討している」といった場面と、読者向けの記事をセットで渡します。
行政書士の営業全体の組み立ては、行政書士の営業・仕事の取り方を、集客手段ごとの役割は、行政書士の集客方法:開業1年目から相談が来る仕組みを参考にしてください。サイトの受け皿を点検したいときは、ホームページから問い合わせが来ないときに見直す12項目も役立ちます。
まとめ:時期のある手続きに、先回りして答える
建設業許可の相談は、新規申請だけで生まれるものではありません。更新、業種追加、決算変更届のように、確認する時期が見える手続きを発信の予定に置くと、継続的な相談の入口を作れます。
- 更新記事は、法定の扱いと管轄ごとの受付案内を分けて示す
- 決算変更届は、毎年の案内として建設会社と紹介元の双方に渡せる形にする
- 知事・大臣、一般・特定、手数料は、一次情報に沿って短く説明する
今週は、事務所が対応する「更新」「業種追加」「決算変更届」のうち一つを選び、満了日または決算日から相談までの流れを書き出してみてください。その一枚が、次の記事と紹介用の案内の土台になります。
LawProは、相談ナビ・相談管理・発信の支援を通じて、時期に合わせて相談を受ける仕組みづくりをお手伝いしています。建設業許可の発信と相談の入口を整理したい先生は、無料サイト診断をご利用ください。
この記事について
公開日:2026年10月28日
確かめた日:2026年10月23日
出典:
- e-Gov法令検索「建設業法」第3条、第11条(2026年10月23日確認)
- 国土交通省「建設業の許可とは」(2026年10月23日確認)
- 国土交通省「許可申請の手続き」(2026年10月23日確認)
- 神奈川県「許可後の手続き」(2026年10月23日確認)
- 沖縄県「建設業許可の申請手続き(新規・更新・業種追加)」(2026年10月23日確認)