相続・遺言の相談では、家族構成、財産、遺言書の有無、手続の期限などが人によって異なります。相談する人自身も、何から話せばよいか、費用はどこまでかかるかが分からないまま、検索していることがあります。
行政書士の相続集客・遺言集客では、制度の説明を増やす前に、相談者が最初の連絡をしやすくなる情報をそろえることが大切です。行政書士が支援する範囲、最初の相談で分かると進めやすいこと、料金の考え方を一つのページで伝えます。登記、税、紛争などは、必要に応じて連携先を案内する方針も明記します。
相続・遺言のページは「何を頼めるか」を先に書く
「相続のことならご相談ください」だけでは、読んだ人は自分の悩みを相談してよいか判断しにくいものです。行政書士法は、行政書士の書類作成の業務について定め、他の法律で制限される業務は行えないとしています。[1]
そこで、ページの最初に、事務所が実際に扱う内容を具体的に置きます。たとえば、遺言書作成の支援、相続人を確認するための戸籍収集・調査の支援、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成といった内容です。受けない業務まで広く書くより、相談者が最初の一歩を選べる言葉にします。
扱う範囲は、連携する専門家への案内と並べると分かりやすくなります。事務所の実際の体制に合わせて更新してください。
| 相談の内容 | サイトで示す行政書士の支援例 | 必要に応じた案内先 |
|---|---|---|
| 遺言を準備したい | 希望の整理、遺言書作成の支援、保管制度の案内 | 公正証書遺言の手続先、内容に争いがある場合の弁護士 |
| 相続人や関係を確認したい | 戸籍の収集・調査の支援、相続関係の書類作成 | 不動産の相続登記は司法書士 |
| 遺産分割の書類を整えたい | 遺産分割協議書の作成支援 | 税の申告・判断は税理士、紛争や交渉は弁護士 |
「登記も税金もまとめて対応」と受け取られる表現は避けます。不動産の登記、税務、紛争に関わる相談が見込まれるときは、相談内容を確認したうえで連携先へ案内する、と書くほうが相談者にも紹介先にも誠実です。[2][3][4]
最初の相談で分かるとよいことを、準備リストにする
相続の相談は、必要書類をすべてそろえてからでなければ連絡できないわけではありません。そう書いてしまうと、かえって相談の入口を狭くします。「分かる範囲で大丈夫です」と添え、次のような情報があると初回の相談が進めやすいと案内します。
- 相談のきっかけ。亡くなった方がいる相続の相談か、将来に向けた遺言の相談か
- 本人・亡くなった方の氏名と、分かる範囲の本籍地・最後の住所
- 家族や相続人になりそうな人の関係
- 不動産、預貯金など、分かる範囲の財産
- 遺言書の有無、見つかっている書類
- 急ぐ事情。金融機関の手続、相続登記、申告などで気になっている期限
- いま一番知りたいこと。費用、進め方、必要書類など
フォームにも、このうち「相談の種類」「急ぐ事情」「気になっていること」を任意項目として入れると、最初の返信で次の案内をしやすくなります。戸籍の画像や財産資料を、最初からフォームで送るよう求めるかは、個人情報を安全に受け取る方法を用意できるかを考えて決めます。
よく調べられる制度は、短く、公式情報へつなぐ
相続・遺言の発信では、制度を詳しく説明しすぎると、個別の事情で異なる部分が埋もれます。制度の役割を一、二文で伝え、最新の手続や必要書類は一次情報へ案内する形が使いやすいでしょう。
法定相続情報証明制度は、相続人が戸除籍謄本等と法定相続情報一覧図を登記所に提出し、登記官が内容を確認したうえで、認証文付きの一覧図の写しを無料で交付する制度です。相続登記のほか、預金の払戻し、相続税の申告、年金等の手続などで使え、使えるかどうかは提出先に確かめます。[5] 「戸籍が不要になる制度」とは書かず、提出先に確認が必要であることも添えます。
戸籍証明書等の広域交付は、2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになった仕組みです。コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍を除きます。請求できる人や窓口での本人確認、郵送・代理人による請求ができない点も、法務省の案内で確認します。[6]
自筆証書遺言書保管制度は、自身で作成した自筆証書遺言に係る遺言書を、遺言書保管所である法務局に保管申請できる制度です。保管の申請ができるのは遺言者本人だけで、代理人や郵送による申請はできません。遺言書保管所は、遺言の内容についての相談には応じません。[7] 記事では「法務局に預ければ安心」とだけ書かず、内容の相談は別に必要なことも添えます。
制度紹介の末尾には、たとえば「制度の利用の可否や必要書類は、相談時に状況を伺って整理します。手続の最新情報は法務局・法務省の案内をご確認ください」と置きます。制度名だけで検索してきた人にも、事務所に相談できる内容が伝わります。
行政書士の相続料金表は、報酬と実費を分ける
「行政書士 相続 料金表」と調べる人は、合計金額だけでなく、何に費用がかかるかを知りたいと考えています。行政書士の報酬と、戸籍証明書の取得費用、郵送費などの立替実費は、同じ欄に混ぜずに示します。
料金表では、少なくとも次の三つを分けると、見積もりを読むときの行き違いを減らせます。
- 行政書士報酬:戸籍の収集支援、相続関係の書類作成、遺産分割協議書の作成支援など、業務ごとの内容と目安
- 別にかかる費用:戸籍証明書の手数料、郵送費、交通費など。発生する条件も書く
- 見積もりで確定する部分:相続人の人数、戸籍の通数、財産の状況、依頼範囲によって変わること
たとえば「相続人調査一式」のような名称だけでは、どこまで含むかが分かりません。「被相続人の出生から死亡までの戸籍収集を支援する。取得通数により実費が変わる」のように、対象と変動する理由を書きます。料金を一律に見せることより、相談後に何を確認して見積もりを出すかを示すほうが、比較の軸になります。
行政書士法は、報酬額を事務所の見やすい場所に掲示することを定めています。事務所での掲示と、サイトで相談者に分かりやすく伝える料金表は、どちらも整えます。報酬額表の具体的な書き方は、行政書士の報酬額表の掲示と、サイトの料金表の書き方で確認してください。[1]
発信は、相談で聞かれた順番に増やす
相続・遺言の記事は、制度を網羅するよりも、初回の相談で聞かれる順番に増やすと役立ちます。まずは業務ページに、対応範囲、最初に分かるとよいこと、費用の考え方、相談方法をそろえます。その後、実際によく聞かれる疑問を、個人が分からない形にして記事にします。
題材は、たとえば「相続の相談で最初に確認すること」「遺言書を考え始めたときに整理すること」「戸籍収集の前に知っておきたい広域交付の条件」です。記事からは、対応範囲と料金表がある業務ページへ案内します。読み手が制度だけを理解して終わらず、相談の準備に進める構成になります。
重点分野の決め方は、行政書士の専門分野の決め方:おすすめの考え方とサイトでの打ち出し方を参考にしてください。発信全体の入口や紹介との組み合わせは、行政書士の営業・仕事の取り方も役立ちます。
まとめ:相談者の迷いを、案内の順番に変える
相続・遺言の相談を増やす発信では、専門用語を増やすより、相談者の迷いを小さくすることが先です。
- 行政書士が支援する範囲と、連携先へ案内する範囲を分けて書く
- 最初の相談で分かるとよいことを、そろっていなくても相談できる前提で案内する
- 行政書士報酬と実費を分け、見積もりで変わる理由を示す
まずは相続・遺言の業務ページに、「最初の相談で分かるとよいこと」の箇条書きを一つ追加してみてください。実際の相談で出る質問を記録すれば、次に書く記事と料金表の改善点も見えてきます。
LawProは、相談ナビ・相談管理・発信の支援を通じて、事務所の相談の仕組みを整えるお手伝いをしています。相続・遺言の相談の入口と情報の順番を整理したい先生は、無料サイト診断をご利用ください。
この記事について
公開日:2026年10月29日
確かめた日:2026年10月23日
出典:
- e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「司法書士法」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「税理士法」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「弁護士法」第72条(2026年10月23日確認)
- 法務局「法定相続情報証明制度」について(2026年10月23日確認)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」(2026年10月23日確認)
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」、「遺言者の手続」(2026年10月23日確認)